【旅と健康】世界一周中医師が語る高山病の症状と予防

まとめ
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旦那です。

前回のマラリアに続く旅と健康シリーズ。今回は「高山病」について。

世界一周中の山好きの皆さんお待たせしました!!!!そして僕たち夫婦にふさわしいコラムになってます。

高山病の噂ってたくさんありますよね。正直何が正しくて何が悪いのかわからないことも多いと思います。今回はエビデンス(根拠)のある高山病の正しい知識をつけてもらえるようにわかりやすく書いていきます。

・高山病ってなに?

・高山病の症状

・高山病になったらどうしたらいいか?

・高山病の正しい予防法

あ、ちなみに高山病は山登りする人だけでなく、ウユニやアタカマといった標高が高い地域まで行く人達もなりうる病気です!!世界一周中の旅人ならば誰でも参考になると思うので、ぜひご一読ください。

じゃあ行きましょう!

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高山病ってなに??

そもそも高山病の定義とはなにか。説明できる人は意外と少ないのではないかと思います。さっと説明しましょう。

高山病:海抜低地の地域から高地に移動した場合に発現する症状の総称。

わかりにくいですよね。簡単に言うと

普段低い標高で生活している僕たちが、標高の高いところへ移動したことによって身体にでてくる症状のことです。

ちなみに高山病は標高2000mを超えれば、どこでも誰でもなる可能性があります。つまりこれは海外の山だけでなく日本の山でも同様です。

次にどうして標高が上がると高山病になるのか、を説明していきます。

高山病はどうして起きるのか??

専門的な話になるので読み飛ばしてもOKです。

標高が高い地域に行くと、気圧が下がるため吸っている空気中の酸素は薄くなります。息切れしやすくなりますよね、そのイメージ通りです。そして吸入している酸素濃度が低下すると、当然ですが血液中の酸素濃度も低下し、身体全体が酸素不足になります。

この身体全体の酸素の低下が【高山病の本質】です。

僕たちの体は酸素を利用することでエネルギーを得ています。脳や心臓、筋肉や肺などどの細胞もすべて酸素を使っています。運動をすると息が切れますよね?これは運動によりエネルギーが消費され、身体がよりたくさんの酸素を求めることで呼吸を早くするためです。

僕たちは酸素を利用してエネルギーを得ている。そのため身体中の酸素が少なくなることで僕たちの身体は様々な異常をきたし、高山病と呼ばれる症状を発現することになります。

どうして高地で生活している人たちは高山病にならないのか?

さてここで疑問です。高地では酸素が薄くなることにより、身体の異常をきたすことは分かったけど、じゃあなんで高地で生活している人は高山病にならないんだ??って思っている人もいるのではないでしょうか?

これは高山病の予防にも直結する概念ですので、簡単に説明します。

呼吸によって体内に取り込まれた酸素は赤血球という細胞によって運ばれ、肺から全身に広がります。これは知ってる人も多いと思います。しかしあまりマニアックな話をしても皆さん眠くなって最後まで読んでくれなくなってしまいそうなのでザックリ書いちゃいますが、高地で生活している人はこの赤血球の数が平地で生活している人よりも多いんです。そのため薄い酸素の中でも、体中の酸素はそこそこ確保できているというわけです。

ちなみに僕たちの赤血球も、体中の酸素が少なくなると少しずつ増加しますが増えるまでに時間がかかります。そのため、長い時間をかけて高い山を登ること(よくいう高地順応が必要となります。

まとめますと…

標高が上がると大気中の酸素が薄くなる。

体内酸素が少なくなるけど、それを解消すべく赤血球が増えるには時間がかかる。

身体が低酸素状態に対応できずに生体機能が保てなくなる。

高山病発症

ということです。

そのため高山病は山登りだけではなく、バスや飛行機などで標高が高い地域へ移動した際にも発症する可能性があるので注意が必要です。

というよりも、登山よりさらにリスクが高いと思ってください。

例えば、ウユニ塩湖(3700m)、ボリビアの首都ラパス(3600m)マュピチュの拠点の町クスコ(3400m)に飛行機やバスで行く場合なんか富士山頂クラスに高いところに突如行くわけですから、高山病発症リスクは非常に高いわけです。

高山病のリスク

  • 高山病に以前になったことがあること。
  • 急激な高度上昇。
  • 高度順応前の激しい運動。
  • 十分な高度順応がされていないこと。
  • アルコールなどの要因。
  • 神経系の病気や、循環器系の持病があること。

などです。これらに当てはまる人は特に注意が必要ですので高地に行く場合は、事前に医師へ相談することをお勧めします。

高山病の症状は?

さて専門的な話が長引きました。要は高山病は急激に標高があがると誰でも発症しうるということだけご理解いただけたらい幸いです。

というわけで高山病の症状について語るのですが、高山病はその症状により分類が分かれてますが…難しいので症状だけまずは見ていきましょう!

  • 頭痛(必発)
  • 倦怠感(非典型症状)
  • 嘔気(非典型症状)
  • 食思不振(非典型症状)

登っているとき、もしくは標高が急激に上昇した際に感じる症状です。症状が進行すると呼吸困難や意識障害が出現し、最悪の場合死亡します。

標高が上がるにつれて、「なにか変だな」と思ったときには高山病かもと疑う姿勢が大切です。

高山病の治療

高山病の治療は何よりも下山、標高を下げることです。ガイドがいるならばまだしも、個人で登山や高地へ行く場合は特に注意が必要です。

頭痛のみの軽症の場合は、発症した標高よりやや降下して高地順応を行うことが推奨されます。それでも症状が持続する場合は下山も検討すべきです。※頭痛がひどい場合はロキソニンやアセトアミノフェンといった鎮痛薬を使用してもOKです。

何度も言いますが、根本的治療は下山以外ありません。間違っても高山病症状の中さらに高度を上げることはやめてください。非常に危険です。何人もの方が命を落としていることを忘れないでください。

高山病の予防

いくつかありますので、わけて説明していきましょう。

●高地順応●

最大の予防方法は、ゆっくり高度を上げることです。3000mを越える場合、1日あたり500mまでの高度上昇が推奨されています。500mを目安にゆっくり登ることを心がけてください。

●食事●

高炭水化物食がいいとは言われています。しかし、高炭水化物の是非については議論があり、今後さらなる研究結果が必要です。

【引水について】飲水は高山病に対して有効と以前から言われていましたが、実際明確な科学的根拠はありません。むしろ登山中は塩分摂取量が落ち、汗による排泄量が増加するため水の飲みすぎによる低ナトリウム血症(身体の中の塩分が薄まった状態。場合によっては死にます)の危険性があり、注意が必要です。しかし脱水が高山病を悪化させるのも事実なので塩分を摂取しつつ、適度な飲水を心がけてください。

●激しい運動●

心拍数の上がる運動は高山病を悪化させます。しないとは思いますが、登山中に走ったり跳ねたりなんてしないこと。高地順応を兼ねてゆっくり登ることを心がけてください。

●薬物療法●

acetazoramide (アセタゾラミド)

商品名:Diamox©(ダイアモックス©)

こちらは意外と有名、アセタゾラミド(商品名:ダイアモックス。わかりやすく言うと「アセタゾラミド=ソーダ」に「ダイアモックス=三ツ矢サイダー」があるみたいなものです)の内服。ダイアモックスはもともとおしっこが良く出るための薬であり、代表的緑内障という眼の病気に使用する薬です。おしっこが良く出たり、手足や唇がジンジンすることがあります。

アセタゾラミドを高山病予防の内服推奨されるのは以下の場合です。

・高山病になったことがある人が2500m以上登る時。

・それ以外の人が高度順応せずに高地(2800m以上)に登る時。

ちなみにトレッキングの街ならどこの薬局でも安価で入手できます。しかし海外のものは1錠250mgが多いので、半分に割って飲むことを忘れないでください。

英語:acetazoramid(アセタゾラミド)

スペイン語:acetazoramide(アセタゾラミデ)

●飛行機やバスなどで急に高地へ行く場合●

移動前日より125㎎を1日2回を最高度到達後48時間(2日後)まで内服、つまり1日250mg内服します。※しかしこの内服量は議論されており、今後変更される可能性があります。

【コカの葉】南米のアンデス地方では、高山病予防の民間療法としてコカの葉(コカインの原料)をかんだりお茶にしたりして飲んだりしていました。というか今もしてますが。しかしコカの高山病の予防効果については限局的な作用のみであり、むしろデメリットが多いです。国際的には推奨されていないのでコカの葉などに挑戦する場合はあくまで自己責任でお願いします。※なお南米周辺国へのコカの持ち込みや輸出は禁止されているところも多いので注意してください。

まとめ

高山病について簡単にまとめました。

山に登る人だけでなく、高地に首都や観光地がある南米にいく旅人の皆さんにもぜひ読んでもらいたいです。

勘違いしている人が多いですが、高山病は死ぬ可能性が十分にあります。間違っても無茶をして高度を上げるようなことはしないでください!!

なにか質問があったらコメントもしくは問い合わせフォームからどうぞ!

 

旦那

コメント

  1. 登山を愛する総合診療医 より:

    高山病にダイアモックスってわりとエビデンスのある対策なの?前から気になってたので知ってたら教えてください(帰ってきてからでもいいですよ笑

    • nosupacker nosupacker より:

      日本酒と医学のお師匠様(恐らく。違ってたらすみません( ;∀;))
      コメントありがとうございます!一応up to dateではアセタゾラミド内服が推奨されています。論文を出せと怒られそうですが、海外wi-fiなので勘弁してください。部下のFujiya君にでも調べてもらいます!!
      帰ったら早々に飲みましょう!

      旦那・嫁