旦那です。断片更新ですみません。
そして僕の連投で嫁投稿を楽しみにしている皆様ごめんなさい。リアルタイムではインドのバラナシに滞在しています。インドは雨季にも関わらず降水量が例年半量らしく非常に暑いです、猛暑です。
僕を「ニート」と呼ぶ後輩からは、日本の方が暑いから文句言うなと連絡がきましたが、
こっちも暑くて外にでられんわ!!!笑
さてABCトレッキングの続きです。
目次
4200mまで駆け上る!ABCは霧の中
嫁のやる気スイッチのせいで結局2日目にしてドバンまで来てしまいました。
昨日までやる気満々だった嫁も、さすがに疲れていそうだったな笑
現在まで
1日目 ガンドルック⇒ジヌー
2日目 ジヌー⇒ドバン
と渡ってきました。2400mまでくるとさすがに高山病についても考慮しなくちゃいけないです。
※高山病と予防については後日「まとめ」でつくります。
本来ならばこの日はデウラリ Deurali(3200m)まで登攀して休む予定としていました。
嫁は割ときつそうだったのですが
嫁「行けるでしょ、ABCまで」
と大変強気だったので決めました。
今日中にABCに行きます軽いなあ、奥様。きついんだぞここからが。思えば、ここで嫁に相談したのが地獄の始まりだったんですね。
なにはともあれ、方針固まったところで朝食のパンケーキを食べて、また8:00には宿を出発します。
心なしか天気も良くありません。
ドバンから次の村 ヒマラヤ Himalayaまでは1時間ほど
もう400mも登ったのかと思いますが、すでに脚はパンパン。もうここで休みたい気持ちが全力でした。
ヒマラヤでは水をリフィルし(トレッキング中の水分は村で購入できます。僕たちは持ってきていた1L ペットボトルに補充してもらっていました)また歩き続けます。
ヒマラヤを超えると岩肌がむき出しになってきます。
雨が降らないうちにとどんどん進んでいきました。
3日目②:旦那靴下を紛失する
とここで気づく。
僕は歩いているといろいろ考えごとをするみたいです。突如思い出しました。
やばい靴下がない。とり込んだ記憶がない。
洗濯物は雨季登山において死活問題です。ただでさえ乾きにくいかつ荷物軽量化のためすべての衣類には限りがあります。
靴下一足なくすごときですが大打撃です。しかもスイスで買ったモンベル(なぜ日本製品のモンベルをスイスで買ったのかは置いておいて)の登山靴下。6000円もしたのに…(たしか)
それに、思い出さない方がいいとこで思い出すんですよねえ、こういうのって
引き返そうと思えば引き返せるんです笑
だってまだ1時間くらいしか登ってないから。でも30分かけておりてまた1時間かけて登るのも…しかも洗濯ヒモにかかってた記憶もないから誰かが持って行った可能性もあるし…
とにかく本日中のABC登攀が目標であったため、結局進むことに。
雨季で、川の水量も増しています。ゴウゴウとすごい音で流れる川も悲しさを増長させるんですよね。
悲劇は続きます。
嫁「リュックに干してある靴下片方ないよ」
生乾きのためリュックにぶら下げておいた靴下、片方も紛失しました。朝までは生き残っていたのに。
片方残っても意味ないやん…
これで僕の靴下残基は、履いている一足のみになりました。瀕死です。
しかし、あの
「明日以降も同じ靴下を履き続けるのか」
という絶望感。是非皆さんにも体験していただきたい。これも探しに行こうか悩みましたが、どこで落としたか不明なため諦念しました。靴下紛失事件以外は速やかに進み、なんとか12:00過ぎにデウラリに到着。昼休憩をすることに。
すると上から見覚えのある青年二人組が降りてきます。
ポカラからガンドルックまでバスが同じだった韓国人の青年2人とまさかの遭遇!!!
しかも1人は大阪に友達がいるようで日本語をほんの少しだけしっていると。
バスを降りる前に
韓国人A「お前、俺の仲間になれ!」
と言われた時には、嫁を置いてついて行こうかと本当に考えました。
まさかの再会に驚くよりも、それ以上に驚愕させられたのが、なんとすでにABCまで行って降りてきている?!しかも今日中にチョムロンまで下山する予定で、明日にはポカラに帰るらしい。
つまり、3泊4日でABC往復!!!!????
日本の皆さん、朗報です。本気出せば働いていても有給休暇のみでABC行けることが判明しました。
※高山病の観点からは医者としてあまりお勧めできませんが、普通の体力では無理。
ちなみにこの韓国人たちは下山した後も超偶然ポカラのアウトドアショップで再会しました
雨季のネパールは本当に空いているので、すれ違った人はみんな覚えています。この2人以外にもABCで一緒になったフランス人カップル、シングルトレッカーのスリランカ人女性ともポカラで再会した。しかもお互い顔を覚えていたから驚きます。
地獄の山越え!デオラリ-MBC(マチャプチャレベースキャンプ)
昼ごはんを食べていよいよ最大の難所へ挑みます。
いやー、しかしここからが皆さんお待ちかね、地獄でした。
先の韓国人2人に行けると騙された。そして嫁に今日中にABCまで行くか相談したことの間違いを感じる時がきます。
今後ABC登山を考えている登山素人の皆様(我々含む)
デウラリ Deuraliからマチャプチャレベースキャンプ Machhapuchhre base camp (MBC)区間はまじできついです。
ABCコースで一番ハードな登りでした。
階段
沢を渡って
また階段
もはや川の勢いや半端ない。
写真で残せたのは霧が晴れていたときだけですが、霧の中で川の音だけゴウゴウとするのは本当に恐怖でした。
ひたすら登って登って登って登ると
ようやっとMBCに到着しました!!
3700mです。
富士山より既に高い。心なしか酸素が薄い気が。笑
時間は15:00。もう休んでもいい時間だし、歩くのが亀みたいに遅くなってきた嫁。実際ABCへアタックするときは、MBC拠点にして早朝ABCへたつ人も多いんですね。なので今日はここで滞在かと思いきや…
嫁「ABCまで行こう」
…
…
…
え??
隊長、僕の方が休みたいであります!
しかし死にそうなほどふらふらになっている奥様に行こうと言われたら、さすがに断れなかった。僕は靴下やバッテリーを失って完全にメンタルブレークしていましたが、最後500mを登ることにしました。
MBCからABCまでは比較的平坦な登りが続きます。長い緩やかな登りです。しかしこの日、雨は降っていないのですが、とにかく霧がやばかった。
もうなんもみえない。Mapsmeを頼りにコースから外れないように山頂を目指す。
この辺から気温もかなり下がって、半そででは寒くなりました。しかし先が見えない中でのラスト500mの登りは精神的にやられました。
嫁はABCトレッキングの中で、精神的にも体力的にもこの区間が一番きつかったと言っていました。
しかし4000m前後になって非常にたくさんの高山植物が咲いていました。嫁はこれだけを糧に必死に歩いたようです。
歩くことさらに2時間。何度も心折れそうになりながら、何度もMBCで止まればよかったと思いながら進みました。
が、ようやく…
思わずサライを歌いながら
ようやく到達した4130m!!!!!
達成感半端ない!!!
↑嫁のこのやつれた顔。行こうといったのはあなたです笑
…
…
…
なんも見えないな。
霧が深すぎてゲストハウスすらどこにあるのかわからない。まして8000mクラスの山なんぞどれかわからない。
ひとまず進むとようやく村を発見!1個だけ空いていたゲストハウスに転がり込むように宿泊手続きをして、無事にABCに到着できた!!この時の疲労感たるや半端なかった。
凍える夜、朝日とアンナプルナ
しかし長い距離を歩いてきたため、ホットシャワーがあるか聞くと、一応ある。値段は…1人300円。地味に高いなあ!まあ山頂だし仕方ないか。もちろん奥様は先に入りにいきます
しかしここでまたトラブルが。かえって来たと思ったら
嫁「寒い!布団!」
ホットシャワーはいったやん…ネパールのシャワーはガス給湯器で加温して提供されるのですが、
20℃以上あがらなかったそうです。
もはやぬるま湯なんですが、なんていってもここは4200m。そんなん入ったら凍え死にます!もちろん僕は入りませんでした。
しかも夜間は尋常じゃないくらい寒い。ヒートテック、フリース、ダウン、ゴアテックスの重ね着でちょうど良いくらいでした。財布のヒモがめちゃめちゃ固い嫁ですが、300円は一応支払っていました。
さすがにABCのゲストハウスは数組客が泊まっていました。それでも4組くらいです。
奥様は体が冷えたようで、野菜カレー(600円くらい)を食べていました。山頂なのでやや食事が高いのは仕方ないかな。ジンジャーティー(100円くらい)を飲んでだいぶ体が温まったところで、周囲がなにやらざわざわしだしました。
外に出てみると…
霧が晴れだしてる!!てか、来た道ってこんなとこだったんやといまさら笑
そしてなんとアンナプルナの南峰(7219m)が顔を出した!!
4120mにいるのにこの存在感。富士山を河口湖からみるくらいの高さがあります。しかしその近さに圧倒されます。
結局この日は南峰しか見えず。毛布を三枚かぶり就寝しました。
そして翌朝。朝日を見るために4:30ころ起きて外を見に行きます。
…
…
…
ううん。激しく霧ですね。アンナプルナが見れなかった時はもう一泊すると嫁に宣言していましたが、
嫁「寒いからやだ!絶対今日見て、絶対今日下山する」
と頑として聞きませんでした。よっぽど下山したかったのか
嫁「霧はれろおおおおお」
と不思議なダンスまではじめました。※足元の黒い塊はゲストハウスの犬です。嫁になついていたため、花子と呼んでいました。
なんとまあみるみる霧がはれていくではありませんか
そしてついに
アンナプルナ連峰がきれいにみえました!!!!!ガスもほどよくかかっていてとても神々しく見えます。
アンナプルナⅠ 8000mです。
マチャプチャレ(6993m)も綺麗に見えました
本当にすごい景色です。
色んなところに行きましたが、ウユニ塩湖とならんでやっぱり行ってよかったって思える絶景です。
全力を出し尽くした嫁は、あんなに降りたいとぶつくさ言っていたのに、アンナプルナIを背景に物思いにふけっていました。
ドヤ顔をして
大変ご満悦そうでした。
この後は朝ごはんを食べて、いよいよ下山します!!
下山開始!失くしモノを拾い集める旅
下ると決まったら、はやいです。9:00にはすべて片付けて帰路につきます。
しかし、こんなにきれいな中を通ってきたと思うと昨日の霧がウソのようです。
あの看板はこんな絶景の中に立っていました。信じられない。
下山目標は降りられるところまで降りる!!でしたのでひたすらくだります。しかしup downがただでさえ多い地形なので下りもめちゃめちゃ大変です。
なんとかドバンまで降りたとき、見覚えのあるソックスをみかけました。しかも洗濯ヒモにぶら下がっている!!
モンベルや!!!!僕のや!!!!!
感動の再会でした。失くしたとばかり思っていたモンベル。無事に帰ってきて本当によかった。明日から靴下を履き替えられる喜びをかみしめてどんどんくだります。
結果…1日でチョムロン(2100m)まで下山できました!!
到着したのは18:30。歩行距離はなんと33km、もはや山の歩行距離じゃないです。
しかもチョムロンは大きな村のため、村に入ってからゲストハウスに到達するまでになんと1時間。
つらかった。日程を話したところ、ゲストハウスのおかみさんはなぜか嫁をねぎらい、僕のことを「クレイジー」と言っていました。
おかみさん。
ABCまで3日で行こう!
と言ったのも。
行けるとこまで降りよう
と言ったのも。
全部嫁ですよ笑
しかし嫁さんはそれどころじゃなく、ヒルに血を吸われ、首から出血したことがショックだったようで下山後までショックを引きずってました。
雨季ジャングルあるある。嫁の首に吸い付いたヒルと出血の写真は自主規制します。興味ある人は連絡ください。割と出血するので気を付けてくださいね!!!
ゲストハウスの犬と一緒に食事をしてこの日はソッコーで眠りました。
チョムロンまでくるとホットシャワーもwi-fiも無料なのですごく安心します。実は僕たち現金の持ち合わせがなさすぎて、あと数日日程が延びていたらポカラまで帰る旅費がありませんでした
翌日は8:00にゲストハウスを出発し、いったんジヌーを経由します。
そうです、バッテリーを探すために。しかし靴下が見つかった当時、バッテリーも手元に戻ってくる気がして仕方なかった。
結論、もどってきました!!!!ジヌーのおばちゃんがちゃんともっといてくれました
再会の感動に打ちひしがれております。もしもこれを紛失していたら来週ニューデリーでお会いするH山先生に日本から持ってきてくれと本気でお願いしようとしていました笑
よかった!!!!!!!!!!僕が失くしたのは靴した片方だけで済みました。
というわけで、またあの工事中の橋を通って帰ります。
これです。二回目の方が怖かったです。
そしてここで最後のトラブルが発生しました。
遭難しかけました。とは言ってもMapsmeが起動していたのでなんとなく方角はつかめていたのですが…先述したとおりでこの橋はまだできたばかりなんです(というか建設中なんやけど)。つまり道がまだ全然整備されてないわけです。
地図すら用意されておりません。
そもそもこの辺からポカラへどうやって帰るか。あまり日本語記載されているブログはないのですが、
①siwaiやキムチェからJeepやバスで帰る方法
②ジヌーからガンドルック方面に降りた際に通るJeep stationからJeepを利用する方法
の二つがあります。※チョムロンゲストハウスのおばちゃん調べ。
ちなみに②の方が①より歩行距離を数時間短縮できます。当然ですが、Jeepの方がバスより圧倒的に高いですよ?2人でチャーターしたらバスとJeepでは5倍は違います。
しかしもう疲れ果てていた我々は、滞在日数を短くしたから帰りはJeepで帰ろう!
と貧乏人の思考とは思えないクライマーズハイテンションでこの最寄りのJeepをめざしました。
が、これが大変だった。橋を渡った先の道はガンドルック方面とニューブリッジ方面に分かれるのですが、ニューブリッジを経由すると2時間ほど歩行時間がのびるそうなのでガンドルックを目指したわけです。
しかしすすめどもニューブリッジ方面の道しか出ない。村の人に道を聞くと、なぜか竹林の上の方を指差される。
悩んだ末竹林に入る僕たち。
どうやらガンドルック方面の道は山の上をまたがっているようで、斜面に対してほぼ垂直な竹林をかがみ進みました。バックパックはひっかかるし茂みはすごいし引き返そうかなやんだとき
山の上の方から人の声がして、なんとか道に出られました。助かりました。
ガンドルック方面に抜けて、ジヌーから一番近いJeep terminalを使う方は道については注意してください!!
そこから2時間ほどあるいてようやく
うおおおおおおおおおおお!!!Jeepやああああああああああ!!!
ようやっとJeepカウンターに戻りました。ちなみにJeepは1台で6000円と最初吹っかけられました。さすがに高いというと、じゃあ人が集まるまで待て、と雨季でほとんど人がいない状況でぬけしゃあしゃあと言ってきます。しかし僕たちもこの2か月で待つことにはひたすら慣れてきたので。
ようし、なら待ってやるよ。と座り込みました。
するとずるずると値段は下がり、結果1台4500円でポカラのレイクサイドまで送ってもらえるよう交渉成立。それでも高いですが
そこからはさすがJeep
沢というか川を越え
※もちろん橋なんてありません
滝を超え
※橋なんてありません
やっとこさっとこポカラへ帰りました。
15:00ころ到着!!
もはや選択肢はなく
迷わず【青空】に直行!というか降ろしてもらった笑
2人とももうよれよれです。また元の宿に戻り、チェックインをして無事に荷物を受け取りソッコーでねむりました。
結果的に僕たちのABCは4泊5日という弾丸になってしまいましたが(ビザなんかは十分に余裕がありました)、なんとかなりました。
正直、雨季のネパールはどうなんだろうっても思ったけど全然なんとかなった。すれ違ったトレッカーみな、ABCはしっかり見て満足そうに降りていた。よく写真でみるABCは岩肌がごつごつしていて、本当に世界の果てとも思えるもの悲しさがある。しかし雨季のABCは深い緑と花に囲まれた、生命の息吹を感じる場所だった。スイスのアルプスのように洗練された美しさではないが、霧の晴れ間に見えた神々しく冠雪した8000m級の山々と新緑のコントラストは今この瞬間しかみることができない自然の厳しさ・たくましさに圧倒されるばかりであった。
徒然草ではないけれども、僕は月は別に満月でなくてもいいと思う。雨のネパールには雨のよさがある。もちろん雨季はそれなりの対策をしなくてはいけないけれども、ベストシーズンじゃなくても十分に楽しめると思う。
あとはなにより人が少なかった!!これにつきる。奥さんと2人でヒマラヤの景色を独占できたことは、一生誰にでも自慢できる。
しかしタフな奥様ですので今後の旅も安心して頑張れると思えたネパールでした。
今後もよろしくお願いします!!
旦那
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